Aqoursの継承、あるいはダブルミーニングとしての"2代目"〜ラブライブ!サンシャイン!!The school idol movie Over the rainbow〜
おはこんばんちわ。筆者です。ラブライブ!サンシャイン!!The school idol movie Over the rainbow公開から5週が経った。ストーリーや感想等は他の方達がまとめているので、ここではちょっと違うアプローチからAqoursというグループの在り方、立ち位置について自分なりに書いてみたいと思う。
Aqoursはテレビシリーズと劇場版を通じて2度のメンバーの増減があった。
3人、9人、そして劇場版で新たに生まれた6人だ。後述するが、6人のAqoursはあくまでも劇場版終了時点での人数である。そして、Aqoursを作った3年生をここでは"オリジナルメンバー"と名称し、現Aqoursを"フロントメンバー"と仮称したい。
さて、実は現実世界においてこのAqoursと同じようなシステムをとっているグループがあるのをご存知だろうか。
そう…
EXILEである。
詳しくない人に説明すると、EXILEは元々J Soul Brothersという名のグループで(ご存知の通り後々このJ Soul Brothersという名前も継承されていくことになる)ボーカルが辞め、そこからATSUSHIさん、SHUN(現清木場俊介)さんの2人のボーカルを迎えEXILEとなった。そこからSHUNさんが脱退し、新しいパフォーマーとしてAKIRAさん、オーディションで選ばれたTAKAHIROさんが加入して7人のEXILEとなった。そこから14人なり、18人になり、今現在15人体制で活動している。
グループを作ったHIROさん、MAKIDAIさん、MATSUさん、ÜSAさんはオリジナルメンバーと呼ばれ、パフォーマーは勇退したが、EXILEを名乗っている。つまり、EXILEは今も19人でフロントメンバーは15人、ということになる。
こうやってみるとAqoursと非常に似ているのではないだろうか。劇中で3年生が抜けて聖良にパフォーマンス力の低下を指摘されたが、EXILEもまた2014年にオリジナルメンバー3人の勇退が発表され、同じようなことを言われた。その後EXILEは充電期間を経て、昨年活動を再開した。これをAqoursに当てはめると劇場版のストーリーがぴったりハマる。Aqoursの劇場版はAqoursの充電期間から活動再開までを描いた作品ではないだろうか。
そして、Aqoursを作った3年生が卒業した
「完全なる意味での"2代目"Aqours」
として再スタートをするという選択をした。
まさにAqoursの継承である。
劇中でも千歌が「Aqoursに人数制限はない」と言っていたようにこの先、Aqoursが2桁の人数になろうが変わらずにAqoursなのだ。
一方μ'sはどうだろうか。
μ'sは言うなれば嵐だろう。
9-1=0。
あの9人であることを絶対とし、スクールアイドルのその先の未来を作った。
そしてその先の未来に今、Aqoursが立っている。
ここで大切なのはどちらの在り方が美しい、尊いという話ではなく、
どちらも正しくて、どちらも最適解なのだ。
スクールアイドルの数だけ始まりがあり、スクールアイドルの数だけ終わりがある。これはμ'sだけでは証明は難しかっただろう。
しかし、Aqoursはこれを完全に証明できた。AqoursはAqoursのやり方で新しい可能性を切り開いた。
Project LoveLive!の"2代目"だから成し得たのだ。
Sunny day Songの歌詞の中に「2歩目はしっかりと3歩目は大胆に」というフレーズがある。筆者のこの2歩目、Aqoursの事ではないか、と勝手に思っている。
ラブライブの"2歩目"としてAqoursはしっかりとその役目を果たした。"3歩目"の大胆なスクールアイドルのために。
μ'sがその先の可能性を作ったようにAqoursもまた、新しい可能性を切り開いたのだ。